子ども会指導者とは何か、理想的な 子ども会の在り方を目指す子ども会指導者とは、どのような指導者なのかあらためて考えてみようと思います。

そこで、地域の子ども会を「理想的 な子ども会」「子どもにとって魅力ある子ども会」にするために取り組むべきいくつかの課題について考えていこうと思います。

 

1.地域 単位子ども会の育成が活動の全てである。

  (1)地域での単位子ども会の育成 が、子ども会育成活動の基礎であり、全てである。

 (2)子どもたちが、子ども会として活動できるのは、単位子ども会のみであり、それ以上の子どもの組織はありえない。

(3) 子ども会を正しい方向に導くのが、子ども会指導者(子ども会全体指導者)である。

(4) 単位子ども会や子ども会指導者を支え支援するのが、単位子ども会育成会であり、その組織や活動を確立・定着させ、子ども会・指導者・育成会の全てを理解し 指導することのできるのが、プレイリーダーであり子ども会総合指導者である。

(5) ジュニアリーダーは、単位子ども会のイン・リーダーと指導者の中間にあり、イン・リーダーの活動を助け、支援するものである。

 

2.な ぜ、子ども育成会でなく子ども会育成会なのか?

(1) 子ども会という子ども社会の中で、集団活動を行うことで、リーダーが育ち子ども達が、縦社会を形成することにより、子どもによる相互学習の機会を創造する ものである。

(2) 子ども集団の中での、相互学習による子どもの育成であり、子どもを個人として育成するのではなく、子ども集団として子ども会を育成する地域の大人の会で ある。

(3) 育成会は、地域の大人に子ども会を理解してもらう活動や子どもたちが自由に活動できる環境作りをする組織。

 

3.単位 子ども会を育成する基本

(1)組織の確立

・ 子ども会の会長、副会長、そして班組織と班長など、イン・リーダーの役割をはっきりと明確にすること。

・ 子どもたちのリーダー会議の中で、会長・副会長・会計・新聞部長・体育部長・文化部長などの役割を決定、本当にその役割にふさわしい人を選ぶように指導し て、子どもたち自身ですべての役割を決めるようにする。

  ・リーダーの役割が決まった ら、子どもたち全員が集まっての班決めを行う。

   ・班は遊び仲間であること、そのためには気の合う同志で構成するのが理想的、事前にリーダー会議の話し合いの中で、仲間はずれの子を作らないこと、下級 生だけの班や上級生だけの班にならないように指導し、最終的にはイン・リーダーにすべてを任せること。

 ・ 班の名前も、親しみ安くアニメキャラクターなどの楽しい名前を自分たちで考え遊び心いっぱいの班の名前にすると親しみやすくなる。

 

(2) リーダー会議の定例化

・リーダー会議を定例化すること で、生きた組織が維持できる。

・月に1度は、定例リーダー会議を 開くことにしよう。

・ 会議は、子どもたちの自主的な話し合いを主体とし、指導者は一歩下がって後ろから会議の模様を見て、必要なとき助言を与える程度の指導にして、子どもたち の自主的な話し合いを保障してあげること。

・ 何でも子どもたち(イン・リーダー)が自分たちで決めて自分たちで実行すること、指導者は「それはだめ」と絶対に言わないように心がけよう。

・ リーダー会議で決まったことは、その日に係りを決めて新聞(チラシ)を書いて、各班長に配布し、班長は班の全員に配布、もちろん責任者は新聞部長。

・ 速報新聞(チラシ)により、リーダー会議で決まったことは、その日のうちに子ども会の全員に確実に周知することができるようになる。

・ チラシを見ることで家庭でも子ども会の動きがよくわかる。

 

(3) 会計も子どもたちの手で

   ・子どものお小遣いと同じように、子ども会にも子どもたちが自由に使えるお金が必要であると同時に、金銭感覚および管理能力を身につけさせること。

 ・ 班長は、各班員から毎月50円程度集める。お母さんが出してあげるのではなく、子どもたちが自分のお小遣いの中から出すように指導すること。

 ・ 班長は、会計のところに持って行き、会計は会計簿に記入し預金する。もちろん指導者がときどき会計簿を見てあげること。

   ・この毎月の会費集めと新聞(チラシ)配りだけでも立派な班活動であり、子ども会や班が子ども一人一人に意識される大きな役割を果たし、生きた組織を作 る基になる。

 

(4) イン・リーダーの仕事を奪わないこと。

   ・育成会の大人や指導者は、子ども会が集まるときは、子どもたちの前に立たないようにすること。子どもたちの前に立つのは必ずイン・リーダー

   ・指導者が、子どもたちの前に立つとリーダーの仕事を奪ってしまうことになる。そして、仕事を奪われたリーダーたちはやる気を無くしてしまう。

   ・イン・リーダーが自主的に進んで活動するためには、リーダーとしての権限と下級生に対するある程度の権威が必要である。

   ・子ども会のことについては、イン・リーダーが全てを決定する権限を与えること。

   ・リーダーたちが、できるだけ自分たちが楽しいことを考え実行することにし、あまり下級生のことばかり気にしていると、その活動があまりおもしろくない ものになる。リーダーがおもしろいと思うことをやることが基本。

   ・指導者はあくまで影の立役者、常にリーダーを前面に立て、信頼し任せること。

    しかし、子ども一人一人に目を向けて注意深く見ておく様に気を付けておくことが大切である。



〜集団指導者としての役割と心得〜

1.  集団指導者としての必修条件

子どもの手による子ども会をすすめるに あたっては、指導者の適切な助言と指導が必要である。

このため集団指導者は、子ども会に関す る理論を十分に学んでおかなければならない。

 
2.集団指導者像

@  子ども会のイン・リーダーや班長のよき 相談相手として、グループ育成を積極的に推し進める。

A 子どもの手による活動をすすめるための プログラム作成に対し、話し合いの適切な助言を行う。

B     子ども会活動を円滑にすすめるために、 子ども会育成会との連絡・連携を図り、大人の願いを子ども会会員に伝え、プログラム立案の指導にあたる。

C     真の集団指導者となるために、学習をす すめ専門性を高めていく。


3.集団指導者となるために

〜子ども会の意義と目的を学習・理解し よう。〜

(1)子どもの理解

@  子どもの成長と発達

子どもの発達の傾向をとらえる、幼児〜 小学生〜中学生

A  子どもと遊び

子どもにとって遊びがいかに重要な役割 を果たしているかを考える。

また、成長に伴っての遊び方、内容につ いても考える。

(2)少年教育の意義

@  少年団体の意義と目的

子ども会等少年団体のもつ人間形成、教 育的意義、少年団体の使命について考える。

(3)集団の基礎理論

@  集団活動の意義

集団から離れての人間形成はありえな い。

子ども会の集団活動の意義を考えること を通して、子ども会の重要性について考える。

A  集団の構造と機能

集団と しての子ども会活動は、構造・機 能面でどのような特徴があるか考える。

(4)子ども会の組織と運営

@  子ども会の意義

子ども会とは、どのような教育的意義を もっているか、子ども会は子どもの成長・発達にとってなぜ必要なのか。

特に、子ども会は異年齢集団であり、学 校や家庭では得られない貴重な体験の場であること。

A  子ども会の組織

子ども会の名前・目標・会員の対象・規 模・役員・指導者・育成会など、組織として備えておかなければならない基本的なこと。

活動の単位、基礎グループの重要性につ いて考える。

B  子ども会の運営と財政

子ども会が自主的に運営され、子どもた ちの主体性が尊重されるには、どのような配慮が必要だろうか。班活動、係活動について考える。

会の運 営をどうしたら良いか、予算の組 み方、経理のあり方について考える。

(5)子ども会活動のプログラム

@  プログラムの意義

子ども会におけるプログラムとは何か。 プログラムはなぜ必要なのか。

プログラムの教育的意義について考え る。

A  プログラムの企画・案・作成

子どもたちの要求をとらえ、どうプログ ラムに反映させるか、子ども会活動にとってもっとも重要であるプログラムのあり方について考える。

B  プログラムの実際

ひとり 一人の子どもがどのような役割を 担っているか、それが全体としてどのような意義があるか、具体的なプログラムを通して考える。

C  話し合い活動のすすめ方

話し合い活動は、子ども会活動を活発に するために重要な活動である。話し合い活動の種類と活用法を知ることにより、効果的な子ども会活動を目指す。

(6)指導者の役割と機能

@  指導者の種類と任務

子ども会の指導者の種類と役割について 考える。

また、子ども会のイン・リーダーとして の会長・副会長・班長などの役割についても考え各指導者が協力しあって子ども会活動の活性化の方法を探る。

A  指導助言のあり方

子ども 会活動が自主的かつ創造的に行わ れるには、適切な指導・助言が必要である。そこで、指導助言の技術の向上を図る。

(7)育成会の役割と機能

@  育成会の目的と性格

子ども 会育成会の目的と性格、役割につ いて考える。

(8)子ども会と安全

@  安全教育

安全な活動ができることを第1に考えな ければならない。

そのためには、子ども会KYTを活用し 安全能力の向上を図る。

また、冒険には危険がつきまとうことを 忘れずにその対策を考える。

A  安全の確保

安全点検のあり方や潜在危険のチェック ポイントのあり方を理解する。

B  事故への対応

活動すれば事故は避けられない場合があ る。そういった緊急時の判断や措置および救急法を理解する。

また、 安全会や保険による対応について も理解する。

(9)子どもを取り巻く課題

@  子ども会と家庭

子ども は家庭に所属し、家庭の一員とし て役割を果たしている。ところが家庭のもつ機能が弱まり、親の役割さえ果たせない親も少なくない。これらについて「子ども会を支えるのは家庭」を前提に考 える。

A  子ども会と学校

学校は、子どもにとって極めて重要な生 活の場、学習の場である。子ども会と学校はどのような形で関わりを持ち、どのように提携して子どもの教育にあたったらよいか考える。

また、部活、行事内容の調整など話し合 いの必要なことも考える。

B  子ども会と地域社会

地域と 子ども会の結合が子ども会の大き な特徴である。地域の実態を知り、どう活用し、どう開発することが子ども会の発展に連なるかについて考える。

(10)子ども会活動の実技

@  スポーツ活動

子ども会活動としてのスポーツのいくつ かの種目について正しいルールを身につけ、指導方法を体得する。

A  野外活動

子ども会活動に活用できる野外活動とし て、キャンプ・ハイキング・オリエンテーリングなどの目的および教育的役割を理解する。

また、実際に体験することを通じて計画 の立て方、準備指導に不備がないように万全を期するためにどのようなことに注意したらよいか理解を深める。

B  レクリエーション活動

人間の生活にとっていかに歌やリズムが 大切であるかを考え、特に子ども会活動において、人間関係や仲間意識を育てる上で、また、情操教育の面から見て欠かせないものであることを知る。
楽しい歌唱指導、フォークダンスなどの技術を習得させる。 明るい雰囲気を 作り、集団の意識を高め、強調、共同の態度を養う上でゲームがいかに大切であるか。子どもの前で自信をもって指導できるゲームを10種類は、いつでも指導 できるように、知識と技術を身につける。

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